趣味三昧 | 山田 和夫 |
吹矢に夢中(6) | ||||
スポーツ吹矢にとっての今年のシーズンは終わりましたので、青柳杯に続くその後の状況を報告します。 1 六段に合格 10月10日、六段昇段試験に合格した。 スポーツ吹矢は六段が最高段位で、試験は東京と大阪で年2回春と秋に行われる。 2年以上にわたり五段の練度を維持していると認められた場合に受験資格を得ることができるため、受験のためには五段合格後約3年かかる。 実技試験は6ラウンド(210点満点)で186点以上が合格となる。吹く距離は10mで右前方に3人、左前方に1名の審査員が位置している。日常生活にはないこの緊張感が気持ち良い。 合格には1ラウンド35点満点で平均31点以上当てなければならない。 試矢5本の後に試験開始となる。「いつも通り」と心に言い聞かせながら吹いたが、前半3ラウンドは31点、33点、31点でかなりの苦戦だった。特に緊張で上がっているとは思わなかったが、気分転換のため定位を外して水を口に含んでリラックスを試みる。 これが功を奏したか、後段の3ラウンドはよく当たって1本外しただけの103点をとり、合計198点となった。 この得点は6段受験者の歴代最高得点らしい。ちなみに、現在会員は約4万5千人、六段はこれまでに40名合格している。 2 全日本選手権大会と悔いの残る第3位 11月12日に墨田区総合体育館で「第4回スポーツ吹矢全日本選手権大会」が行われた。 参加者は約990名で、男女別に10mと8mのクラスに分かれて競技が行われる。 男子10m(三段以上)の参加者が最も多く約半数の464名であった。競技は予選6ラウンドで、各クラス上位3名が決定戦に進出する。かなりの狭き門で、私は196点が「足きり点」になるだろうと予想していた。 競技では周囲の雑音も気にせずに落ち着いて吹くことができたが、結果は思わしくない。 前半は31点、33点、31点で5本も外してしまい、この時点で予選通過は極めて難しくなった。念のため3ラウンド目に外した2本の矢を新しい矢に交換したところ、後半は良く当たり1本外しただけで結局合計では198点になった。 予想した足きり点以上になったが、中間発表では上位者の点がとても良かったので、上位3名に入るのは難しいだろうと思った。 結果発表となった。 待機位置と競技場はかなり離れている。私は待機位置にいたので、友人が競技場で待っていた方が良いと忠告してくれたが、準備して外れたら恥ずかしいからと言って動かなかった。 いよいよ最後の男性10mの部の発表になり、「1位198点~」とのアナウンス。同点者3名による決定戦になった。「エッ、ホント?」といった感じ。 先に発表になった人たちは既に集まり始めている。 長い裏通路を駆け足で急いだ。定位についたが動悸が収まらない。私が最後だったのですぐに競技が開始された。「静止」は吹矢のいのち。不安なまま吹いた。 1本目2本目が3点圏と5点圏に当たる。「もう駄目だ」との思いがよぎったが、深呼吸して「落ち着け」と言い聞かせながら無我夢中で吹いたところ残りの3本は真中に当たった。吹き終ってホットすると、両隣りの人がまだ5本目に入ったところ。 驚いた、早すぎた。当てたい一心で基本動作を疎かにしていたのだ。 決定戦は1ラウンドの35点と基本動作の7点の合計で決まる。 結果は、点数は2位だったが基本動作が悪く逆転されて3位になってしまった。 今年は前段の青柳杯で優勝したので何とか連続で優勝したいと念入りに準備した。実現する寸前までいったのに、細心の注意が足らなくてこんな結果になってしまった。 悔いの残る結果だった。 3 常総市の復興イベントに参加 ![]() 関東・東北豪雨で大きな被害を受けた常総市で11月21日、復興支援イベント「がんばっぺ常総!」が開かれた。 この催しは、水害のため市内の小中学校がコンクールや対外試合を辞退したので、子供たちに楽しんでもらおうと企画された。ボランティア団体から誘いがあり、スポーツ吹矢も会員有志でブースを開設した。 初めての経験でどれくらいの子供たちに来てもらえるかわからなかったが、テント2張り分の間口が借りられたので的を3個設置することにした。 好天に恵まれ多くの子供たちがきて、やりたい様子だけどなかなか中には入ってこない。「無料だよ!」との声掛けをきっかけに次々と入り始め、その後は行列ができるほどの大入り。 ![]() 1人あて5本、中学生以上は6m、小さい子は年齢に応じさらに短い距離で吹いてもらった。 吹矢の道具を見るのも初めてなのでぎこちなさはあったが、思っている以上に当たったようで、「すごい」「すごい」の連発で子供も大人もとても喜んでいた。 8名の会員で対応したので交代で休憩が取れると考えていたが甘かった。 休憩どころか途中から来場者の記録もとれないくらいの大入りで、多分500人ぐらいの来場者があったと思う。3,000人の入場見込みと聞いていたが、天候に恵まれたことと、AKB48やタレントの鈴木奈々さん、その他バンドなど多彩な出演者があったことで、翌日の新聞によれば8,000人もの人が来場したという。 盛会で、常総市の多くの皆さんに楽しんでもらえたことが嬉しく、また、若いボランティアの皆さんに交じって高齢の私たちも元気をもらった復興イベントであった。 |