42期 徒然草 東 風輝
近 況

 0500起床、0630自宅出発、0800出社、1830退社、2000帰宅。こんな毎日です。

 陸上7班、1候3区隊、普通科の東です。現在、本部の会計を仰せつかっています。

 平成11年4月の退官と同時に今の会社(出版社)に再就職し14年目になります。過日今年の誕生日を過ぎたころ、「社長、満68歳になりましたが!」と報告したところ、即座に「そうですか、それではあと10年ですね。」と返されました。"有難いこと!"との思いで、電車に乗れる間は頑張ろうかと思っています。
 
 入社当初から総務・経理の仕事をやっています。小さな会社なので、この職務に専従で配置されているのは私一人です。
 総務(人事・給与及び社会保険・労働保険など)は見よう見まねで始めました。
 経理(財務・税務)は、退官直前の業務管理教育で興味を覚えた簿記の勉強を通信教育で継続して日商簿記3級を取得していましたので、前任者(陸自OB)の入社前教育を受けてなんとか引き継ぎました。

 とはいいながら、全く畑違いの仕事なので結構面喰いました。私の入社と入れ替わりに退職された前任者から電話指導を受けたり参考書を買いあさったりの毎日で、当初3年間ぐらいはよく会社に泊り込みました。

 こんな状態だったので、ミスも多く冷や汗の連続でした。ミスのたびに自衛隊感覚で事故報告をしていたのですが、間もなく社長から「自分で処置できるミスの報告は要りません、私が何かやらなければならない時だけ云ってください。」と云われました。
 "皆それぞれ自分の仕事で忙しい、他人の仕事を指導・監督する暇は無い。PDCAは一人で回せ!"というわけです。零細企業の真骨頂でしょうか。

 反面、防衛省(安全保障・危機管理)関連商品(図書)の売上げが全体の7~8割で社長も自衛隊のシンパという会社なので、再就職とは云いながらおおむね転属気分で始めることが出来ました。これは、肥後モッコスの私にとって幸いしました。
 
 あるとき、「社長、なんで私のような満足な資格も経験も無いものをろくな面接もせずに雇って頂けたのでしょうか?」と聞いたことがあります。
 直ちに「信用です。自衛隊出身の方は100パーセント信頼できます。」という答えが返ってきました。
 実は、入社当初から会社の実印や資金(通帳・印鑑)など金庫管理を全部任されており、ずっと疑問でした。

 退官前になると勤務時間中に再就職のための資格取得の勉強に精を出す方を見かけたりしましたが、娑婆のほうで自衛官OBに期待していることは少し違うようだなと実感した瞬間でした。

 (H24.11.3記)(おわり)