42期 徒然草

戦争をしてはいけない

小池 信康


 15日は、73回目の終戦記念日だった。

 8日付の「有明抄」は終戦間際に上野動物園で起きた悲しい出来事を書いていた。
 以前似た話をTV番組で見た。

 記憶を頼りにネットで検索してみると、「ヒョウのハチ」という絵本だった。早速取り寄せた。
 絵本の内容は、中国で生まれ日本に渡ったヒョウの話。


 山に大きなヒョウが住んでいて、村人を困らせていた。
 そこで近くを警備していた日本軍がそのヒョウを退治に向かったが、そこには赤ちゃんヒョウが2頭残されていて、親は姿がなかった。

 兵隊はそのヒョウを持ち帰り1頭は中国の動物園へ引き 取ってもらい、もう一頭は、自分たちで飼うことことになり、「ハチ」と名付 け、皆で大事に育てすっかり兵隊の一員となっていった。

 戦局が進み遠方へ転戦することになり、連れていけなくなり上野動物園に引き取ってもらうことになった。
 やがて終戦が近づくにつれ爆撃でおりが壊れ猛獣が逃げ出したら大変だということになり、毒殺することになり、「ハチ」も例外ではなかった。

 戦争が終わり帰国してそのことを知った隊長は、「ハチ」のはく製をもらい地元高知に持ち帰り、共に暮らしたという話です。


 子供向けの絵本とは思えないほど感動する内容です。


 「良い戦争や悪い平和なんてあったためしがない。」と言ったのはベンジャミン・フランクリン。

 ご存知の通り、避雷針を発明し、独立宣言の起草委員でもあった人物である。


 二度と戦争をしてはいけ ない。



                                         「佐賀新聞」の「読者の広場」 2018.8.18 掲載