42期 徒然草 | |
読書のすすめ(1) | 小栁 毫向 |
小生徒然なるままがなりに本を読む。本を読んでいるとその中でいい人に出会ったり、これまで知らなかったことや気付かなかったに出会ったりすることが結構多い。それが楽しみで本を読む。先日同期生からいい本があったらホームページで紹介しろとの薦めがあったので何回かのシリーズで紹介したいと思う。 今回は帚木蓬生氏を紹介したい。 氏に最初に出会ったのは「三たびの海峡」であったが、これは韓国を併合していた時代に強制的に徴用され福岡の炭鉱で働かされたある韓国人の物語。日本歴史の一つの暗部を知る思いがし、また韓国人の日本への恨みも理解できる。 つい最近読んだのが「蠅の帝国」サブタイトルに軍医たちの黙示録とある通り軍医たちが経験した戦史である。 15編からの短編からなりタイトルにもなった「蠅の街」は原爆投下後の広島の放射能の影響を調査するため派遣された医者が経験した物語。広島は全国の蠅が広島に集まったのではと思われる程の蠅の街であった。何故か、夥しい死体に蠅が卵を産みつけるからです。実に悲惨な状況です、戦争の悲惨さを知ることができます。 以前紹介した「水神」のほか「逃亡者」,「風花病棟」、「閉鎖病棟」,「安楽病棟」も面白い本でした。いずれも新潮文庫出版です。 |