42期 徒然草 | |||||||||
読書のすすめ(12) | 小栁 毫向 | ||||||||
イスラム国に拉致された日本人2人が虐殺され、日本のみならず世界各国から残虐非道の批判声明が出された。 しかし冷静に考えるならばどの民族もかって残虐非道を行った歴史を持つ。米・英・独しかり、中・ソしかりそしてわが国もその例外ではあり得ない。 要するにどの国も自分の国が大事であって、たとえ友好関係にあってもその裏には非情さがあることを忘れてはならないだろう。また一つの事象が起こるとその事象が長い歴史の中でなぜ起きたのかという観点で見ることも大事ではないかと思う。 さてイスラムのことである。 残念ながら解らない、がイスラムを理解する手引書がある。かって塩野七生さんが「ローマ人の物語」(新潮社)で塩見流のローマ史を書いた。 ローマ帝国の末期東西ローマ帝国に分裂し、西ローマ帝国はゲルマンに滅ぼされ、東ローマ帝国はビザンチン帝国と名を変えながら衰亡の道を辿ったころ570年にイスラムの始祖モハメットがアラビア半島のメッカに生まれた。 布教を始めたのは613年で633年に亡くなったが、その信徒が「右手に武器を、左手にコーランを」のスローガンでユダヤ教、キリスト教の世界に殴り込みをかけた。
この当時からのイスラムの世界を描いたのが塩野さんの「ローマ亡き後の地中海世界」(新潮社)だ。 ローマ亡き後の地中海は約1,000年にわたりイスラムの海賊が支配したという。 文庫本も最近出たようですので興味ある方は読んでみてください。
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