* 保坂正康 「崩御と即位」(新潮文庫) |
今天皇の生前退位が話題になっていますが、保坂氏は有識者のメンバーになっている作家。
孝明、明治、大正、昭和4代の天皇の崩御の姿を紹介している。
孝明天皇は毒殺された噂もある、明治天皇はたぶん癌で亡くなったと思われるが大の医者嫌いで、晩年体調を崩した時も医者に触診すらさせなかった。しかし体調の悪い中最後まで軍服を着て執務室に座り続けた。
大正天皇は幼少時脳膜炎を患い、即位後再発、大正10年から後の昭和天皇が摂政宮として代理を務めている。
昭和天皇は我々の知るところ。
さて平成天皇はどうなるのでしょうか。
また私も初めて知ったところですが、明治、大正天皇は側室から生まれた子である。
側室制度を廃止したのは大正天皇の皇后と言われる。いずれ女性天皇も議論されるであろう。
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* 吉川洋 「人口と日本経済」(中公新書) |
今世界の人口は急増している。
1900年初頭で約10億、この世に人類なるものが誕生し100万年以上かかって10億になったが、1950年には20億、1975年には40億現在は60億を超え70億に達しようとしている。
これに比し我が国の人口は減少傾向、少子高齢化が進み出生率は1.4 この状況が続けば100年後は今の人口の約4割、5000万人を切ることになる。
人口と経済の関係を分析した書である。 |
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* エマニエル・トッド 「ドイツ帝国が世界を破滅させる」「問題は英国ではないEUなのだ」(いずれも文春新書) |
同氏はフランスの歴史人口学者、これまでソ連の崩壊を予測し、英国のEU 離脱も予測している。
EU で今何が起こっているのか、ドイツの一人勝ちの枠組みが出来上がっている。
ドイツの出生率は日本と同じ1・4、それゆえドイツは移民政策に積極的それも安い労働力として。
移民政策に消極的な英国がEU を離脱するのは自然の流れと説く。
人口だけでなく経済等の様々なデータをもとに世界の状況を読み解く、これから日本が友好を維持すべきはアメリカとロシアとも指摘。
アメリカでトランプが大統領に選ばれた、これからの世界の流れを考えるうえで参考になる書である。
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* 最後に松前健「日本の神々」(講談社学術文庫) |
古代史に興味のある方は読んでみてください。
イザナギ・イザナミ、アマテラス、スサノオは一体どこの神であったのか、そしてこれらの神々はどのようにして古代神話に取り入れられたのか。
自分の説だけでなく多くの古代史に関する学者の説を紹介しつつ神代の時代の疑問に答えてくれます。
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