まず、松岡圭祐の「黄砂の籠城」(講談社文庫上・下巻) |
これは日清戦争直後に中国〈当時は清〉で起こった義和団の変を描いたもの。
当時北京の一画、東西、南北それぞれ1キロ弱の狭い地域に、日本、イギリス、アメリカ等11か国の公使館が存在し、各国ともに小部隊を持って警備をしていた、その数合わせて約500名。
これに対し数万ともいわれる義和団が襲い掛かった、のちに清朝の正規軍も加わったといわれるから、相当なものである。
この攻撃を、援軍が来るまでの約2か月を500名で守り抜いた。
この戦闘の全般指導をしたのが、当時武官であった柴吾郎中佐のちに会津藩出身で初めて陸軍大将になった人物である。
イギリス公使のマクドナル卿は日本民族の精神を絶賛し、これを世界に喧伝した。
これにより日本は大国の一員として認められ、これが日英同盟につながり、日ロ戦争勝利の一因になったことを考えれば、知っていてよい史実である。
なお柴吾郎については、石光真人の「ある明治人の記録」〈中公新書〉で紹介されている。
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次に佐藤勝彦の「宇宙138億年の謎を楽しむ本」(PHP文庫) |
宇宙はいったいどのような形をしているのだろうか、私は、てっきり丸い形だろうと思っていましたが、さにあらず、最初は点でビッグバンにより円筒形に拡大、今も円筒形の先端を広げつつ拡大を続けているそうです。
夜、空を見上げても東京では数えるほどの星しか見えませんが、田舎に行けば今も天の川銀河が確認できるのではないでしょうか、この天の川銀河もはるかかなたのおとめ座銀河団の一員に過ぎないそうです、他にいくつもの銀河団があり、これらの銀河団がいくつか集まってさらに大きな銀河団を作っている。いったい宇宙はどれくらい大きいのか。
太陽にも寿命があるそうです。太陽が生まれて46億年、寿命は100億年だそうです。
太陽の寿命が尽きたとき何が起こるのか、水星、金星を飲み込むほどに拡大し、その時地球は灼熱の地獄になるそうです。そのころ地球にいる人は大変だろうな、と他人事ながら心配です。そういえば、仏教の世界で文殊菩薩は54億7000万年後に現れて地球を救う、といういわれがあるのを思い出しましたが、太陽の寿命を知っていたのでしょうか。
等々不思議なことがいっぱいあります。この本はなるほどザ・ワールドの世界です。
テレビで最近の物理学者の関心事を紹介していました。それは我々の住む宇宙以外に別の宇宙があるのでは、ということだそうです。
我々の住む宇宙が点から始まったとするなら、その点から別の方向に円筒形に拡大する宇宙があっても不思議ではありません。いつかは解明されるのではと期待したいですね。
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