42期 徒然草 田中 征之
ベトナム紀行 その2
  
  ハノイ2日目午前

 ホテルの朝食をとり、プールで朝の水泳を楽しんで、8時頃オーさんの案内で市内のホーチーミン廟へ。宏大な公園の中の広場は、散歩をする人、観光客お上りさん、等で朝から人が出ていました。丁度、衛兵の交代があり、タイミング良くこれを見ることが出来ました。

       

 案内のオーさんの話によるとベトナムは安定していて、少数民族の保護、生活の安定に特に力を入れているとの事(抑圧を続ける中国とは違うと言いたかったのでしょう)道すがら彼が中国は好きではないとぽろっと漏らしたのは必ずしもリップサービスだけではなく
ベトナム人の本音ではないかと思いました。
 そこでベトナムの政治体制はどうですかと意地悪い質問をすると、賢明な彼はそれには乗らず、安定していて国民は希望に溢れていますと型どおりの回答をして、政治に関しては触れたくない様でした。
 ベトナムが共産主義国家であることを改めて思い知らされました。

   

 次に学問の殿堂に移動しました。ここは歴史の古さを物語る重厚な門構えの寺院風の建物で門を入ると太いガジュマルの木がある美しい中庭、更に、その奥に門があり、本殿に続くという3重構造に成っていました。
 オーさんの話によると、ベトナムは20世紀初頭まで中国の科挙の制度を取り入れていて将来を夢見る若者は門の外側に一人用のテント(小屋)を建ててその中で勉強して年1度の試験を受けたそうです。
 その試験に合格した者のみ門から入れ中庭に又、小屋を建てて勉強し、2次試験に臨んだそうです。
 この試験の合格者は僅か3名、この3名のみが本殿で高名な学者の教えを受けて、国を担う人材に成るわけで、一次試験の応募者が多いときには5万人いたそうですからとてつもない競争率です。
 難関と言われる日本の国家公務員上級職も足下にも及びません。

 ベトナムは歴史的に度々中国から侵略を受け、一時は80年ほど中国の属国となったこともあり、戦後も中越戦争で戦った間柄で中国が嫌いだと言うのが国民感情として残っている訳ですが、こと教育システムに関してはこれ(儒学)を取り入れて、教育を重視してきました。

 郊外の田園地帯に点在する村々に一際立派な建物がありますが、これは皆、学校でした。
 ここにも良く教育に対する姿勢が現れています。
 ベトナムの人が東南アジアで抜きんでて自立心が強く、レベルが高いのも、教育重視が一貫しているからだと思われます。
 日本も見習うべき事です。

 午後からは、自由行動で、いよいよ今回の旅行の目的であるベトナム人の強さ、如何にしてアメリカに勝ったかのヒントを得るため、軍事博物館に歩を進めます。