42期 徒然草 | 田中 征之 |
冬の友(鳥) | ||||
毎年、12月の冷え込みが厳しくなるころ、我が家のテラスのプランタンに鳥が飛来します。数年前、たまたま気まぐれで、蜜柑の半分に切ったのを土の上に置いておいた所、これをつつきにくるようになり、味を占めて毎年この時期になるとやって来ます。 ![]() この鳥も桜が満開になると花の芯を食べるのに夢中に成り、我が家に飛来することが無くなり、毎日愛らしい姿を見るのを心待ちにしていた自分に気づかされ、ちょっぴり、寂しい気がします。 友人が単行本「ジョーク世界一」をパラパラめくっていたら、ジョークの中に「戒め」も込めた傑作があったそうでご紹介してくれました。 父親が幼い息子に早起きの勤勉さを教えようと「早起きした小鳥だけがミミズにありつける」と説教すると、息子は未だ年端も行かないのに「でも、ミミズの方からすると早起きしたから小鳥に食べられたんだよ」と一丁前の口を利いた、という有名なジョークがあるそうです。 私も諺の「早起きは3文の得」と言うことで、早寝・早起きを実践していますが、早起きした小鳥のように幸運に恵まれることは無いようです。 勤めていた頃は、朝、ばたばたせずに済むのは確かですが、人間、一日中活力を保つのは難しく、大体、午後は活力低下して、眠かったりします。 サマセット・モームの短編にも確か「アリとキリギリス」の寓話の逆で、兄からお金を借りて毎日グータラに過ごしていた弟に大金が入り大金持ちに成ったのに、合うと返すどころか小金をせびる、毎日汗水垂らして勤勉に働く自分は何なのかと悔しがる話がありましたが、何故か読んだ後、悔しい思いをした兄の同情心は起きず、ぐーたらな弟の方に人間性を感じました。(大金を手にした弟を妬む人間誰しも持つ、兄の狭量な心のため) 勤めが無くなった今では「小原庄助さんの朝寝・朝酒・朝湯が大好き」の方が良いように思え、だんだんそうなりつつあります。 (H24.4.16) |