42期 徒然草 田中 征之
金環日食 狂想曲

 今朝(5月21日)は日本で25年ぶりの金環日食と言うことで、前日から大フィーバー、、かくなる私めもあわてて夜に近くの仙川商店街に、太陽を見るグッズを買いに行きましたが、既にすべて売り切れ、それでも世紀の天体ショーを見逃したくない、確か、小学校の時にやった覚えのあるガラスにススをつけるやり方がある(これはTVではやらないようにとコメントしていました)と思いだし、早速何か無いかと捜した所、写真立てのガラスが目につきました。ローソクを燃やしてこれにすすをつけ、かろうじて準備完了、後は雲の状態と、5時過ぎから何度も外に出て東の空を見ると残念ながら雲がかかっていて、これはダメかもしれないと思いました。

 何しろ、次に日本で見られるのは、北海道で18年後、と言うことはほぼ可能性ゼロ、何とか見せてくれという祈りが通じたのか、太陽が顔を出し観測できる状態になりました。

 6時半頃から10分おきに外に出て、ススガラスの具合を確かめつつ、日食を見ました。金環日食に成る0728には団地の住民(爺ばば)も見に出ていました。私がすすガラスを持って出ると、それを目ざとく見つけた隣家のじじが早速飛んできて、「それは危ないから止めて方が良い」と言いました。
 「ほっとけ」と内心思いましたが、そこは隣人の付き合い、「有り難う御座います、具合を確かめていますから、大丈夫です」と言って金環日食を眺めました。
 目が悪いのか、手に持ったすすガラスが揺れるのか、金環の輪が2重に見えました。ともかく、もう見ることは出来ないだろう天体ショーを見ることが出来てラッキーと、金環日食が終わっても部分日食が終わりになるまで見ました。
 日食の始まりから終わりまでのスケッチを貼付します。

          金環日食のスケッチ     右から左へ月が移動していくのが分かります。

 私は高校の時に、陸上部の他に文化部の「天文・地学部」籍を置いていて毎日のように望遠鏡に遮光フィルタを付けて太陽の黒点数を記録していました。
 この黒点は望遠鏡で見ると黒いシミのように見えますが、エネルギーの吹き出し口で、これが多い程太陽が活発に活動していると考えられています。
 ご存じでしたか、この黒点数は11年周期で最大・最小を繰り返しますが、実はこれを発見したのはアマチュアの天文家で、かれは毎日飽きずに20数年に渡ってこつこつと黒点数を観測して記録したそうです。これによって周期的に繰り返すことがわかったわけですから、正に継続は力です。

 今回の日本で見れる金環日食で、太陽の直径が今までより正確に測れるそうです。これは、金環の輪がビーズ状になるのが、月の山谷(でこぼこ)によるもので、月の山谷の正確な高さが日本の衛星で測れたので、出来るのだそうです。
 (原理は解りませんので、知りたいものです。案外簡単な比例の法則かも)日本の科学技術も大したものです。

 金環日食は太陽のフレア(吹き出すエネルギー火炎)を観測する絶好の機会でもあります。
 このフレアについて、最近、恐ろしい話が出てきました。
 これは、太陽と似た宇宙の恒星を数多く観測したところ、これらの多くに巨大なフレアが発見され、太陽にも起こる可能性があると言うことです。
 これがもし起こると、地球の全人類に測り知れないダメージをもたらします。現在の太陽でも、大きなフレアが出ると、磁気嵐という形になって一時的ですが通信の途絶をもたらします。これが巨大になものだと(巨大津波・原発事故ではありませんが)人類の生命に重大な影響を与えるだろう事は素人でも解ります。
 金環日食で楽しまして貰いましたが、今後も人類の親であり、かつ怒れる巨大なエネルギーの生き物である太陽に関心を持っていきたいと思います。

 参考:巨大フレア関連のホームページです。・・・・「2012年地球滅亡

 なお、今回の金環日食はある程度見ることは出来ましたが、地域によっては天候や雲の見ることが出来ず、準備したのに残念な方もおられると思いますが実際は、自分の目出見たかどうかの差で、TVで放映されたものの方が遙かに鮮明ですので、今度は18年後まで頑張りましょう。