42期 徒然草
つくばを歩く(真壁町のひな祭り) 山田 和夫

 一昨年の5月に筑波山西側をりんりんロードに沿ってJR岩瀬駅まで歩いたが、その際に、中間の真壁町でひな祭りが行われているのを知った。
 この時は時期が過ぎて見ることができなかったので、約2年ぶりにひな祭り見物を中心に同じ経路を歩いた。

   筑波山の麓まで車で送ってもらい、7時30分りんりんロードを歩き始めた。

 雲一つない晴天ではあったが、生憎北西の冷たい風が強く、歩き出した早々に寒くて手がかじかんでジンジンと痛む。
 体は冷えるばかりで、終始鼻水を流しながら歩いた。

  真壁町は、筑波山や加波山からのなだらかな西側斜面に住宅や商店街が広がっている。

 加波山一帯は真壁石とよばれる花崗岩の産地で、昔から石材業がとても盛んだ。
 経路上にもたくさんの石材工場が散在し、庭石、墓石の他に道端に可愛い石仏が鎮座していた。


   真壁町には9時40分ごろに着いた。

 町は、戦災でも焼けなかったため、江戸期の城下町特有の道筋が残っており、道幅が狭く、「鍵の辻」と呼ばれる変形した十字路があって見通しがききにくいし、かつての武家屋敷を思わせる門構えも散見される。

 それだけに土蔵も多く、写真は、明治後期に建てられた見世蔵と言われる店舗と蔵を兼ねた重厚な黒漆喰塗の町家で、町のほぼ中心の角地に際だった姿をみせている。
 

   昔の人は、大切なものは全て蔵にしまい、季節の移ろいに従ってその時に必要なものを取り出して使用していた。
 そのためか、旧家には江戸後期~明治~大正~昭和などの時代もののお雛様が残っていて、真壁のひな祭りの特徴となっている。
   

 2月の三連休の最終日ではあったが、早い時間に着いたので観光客はまばらだった。
 まだ閉まっていた門扉を開けてもらい、蔵に飾られたお雛様を見せてもらった。
 このお祭りは、有志の声掛けで平成15年に約40軒から始まったそうだが、今では約180軒でお雛様が飾られるようになっている。
 蔵のない新世代の商店などでは、「吊るし雛」や「箱雛」などそれぞれが一定のテーマのもとに、楽しいお雛様を飾っている。
   

 お雛様を飾っているのは、商店か公共の施設が多く、従ってお雛様を見ているとお店の人が寄ってきて親切に説明をしてくれる。
 とても気持ちが良いが、すぐに売っている商品の説明になっている。
 私のように気弱な者(?)では、そのまま立ち去ることができず、つい買ってしまう。
 2月4日~3月3日までの1か月間のお祭り、地域活性のためにはとても良い催しだと思った。

 昼過ぎに真壁町を発ち、りんりんロードを歩く。
 真壁町で時間をとったので今回は雨引観音には寄らずに岩瀬に向かい、午後2時半ごろに到着した。
   歩数:40,000歩
   距離:30キロメートル
   消費カロリー:2,100キロカロリー
   
 田中 征之君からコメントがありました。

 とても素敵な紀行文です。

 山田さんがつくば周辺の良さをシリーズで 紹介さてくれるので、毎回楽しめます。
 歩かなければ見えてこない驚き 感動がありますね。

 真壁町の石仏、何んとも愛らしい昔流で言えば道祖神ですが、思わず足を止めたくなりますね。
 真壁町は旧家が多くひな人形は 見事ですねきっと見た人は幸せな気持ちになることでしょう。
 私も山田さんの撮った4枚のひな人形の写真を壁に貼って、3月3日は既に買ってある雛あられと白酒で雛祭りを祝い、しばし幸せな気分を 味わおうと思います。素敵な写真でした。

  それにしても歩行4万歩は凄いですね。
 私も「脊椎間狭窄症」で100m歩くと足が痺れる状態で、何とか改善しないかと毎日歩くようにしていま5千歩が精いっぱい。  改善の兆しなしです。

 3月からは最後の手段、得意の水泳でリハビリします。
 山田さんのように健脚は羨ましいことです。