42期 徒然草 | |
筑波山を歩く | 山田 和夫 |
例年になく寒が厳しかった冬が漸く過ぎ、春の連休を迎えたこの時期ウォーキングに絶好の季節になった。 しばらく筑波山に行っていなかったので久しぶりに出かけることにした。車で麓まで送ってもらって、「登山→歩いて帰宅」の私にとっての1日コースである。 麓のコンビニで下車して県道42号線を歩いて約10分、旧登山道との分岐点に差し掛かる。今日の県道は車が多いので静かな登山道を進むことにする。清々しい木漏れ日の中を、沢水の音と時折鶯のさえずりを聞きながら坂道を登る。 ![]() 処々寄り道しながらのんびり歩いて、約1時間で筑波山神社に到着した。筑波山は平地に屹立する姿の美しい山で、山全体がご神体とされている。今日は、参拝者も多く、家族連れ、グループ、外国の方など普段見られない賑わいだ。拝殿では、いつもどおりに今日1日の安全と、家族一人一人の健康と繁栄を祈願する。 ![]() 拝殿に向かって左側から登山道を登るとすぐにケーブルカーの宮脇駅がある。ケーブルの線路に沿う「御幸ケ原コース」を、木の根、石段、丸太などで作られた階段と岩場を、杖を使いながらゆっくり登る。杉、モミの巨木の間を森林浴しながら約45分で、ほぼ中間地点の休憩所に到着する。ここは上下のケーブルカーが行き交うところ、タイミングよく赤と緑の車両が交差してゆく。絶好のハイキング日和に恵まれたためか、ケーブルカーに乗っている人は少ない。 ![]() 更に登って標高600メートル、登山道を小さな水流が横切っている。ここが男体山と女体山から湧き出た水がひとつになって流れる男女川(みなのがわ)の源流にあたる。源流から先の標高700メートル以上は、関東では珍しい天然のブナ林だ。国定公園特別保護区に指定されているが、地球温暖化の影響で次第にブナが少なくなっているそうだ。 そして間もなくケーブルカーの頂上駅、御幸ケ原に到着した。多くの登山者を相手に「筑波山ガマ口上保存会」の皆さんがガマ口上を披露していた。女体山に通じる15分ほどの道沿いはカタクリの自生地で有名だが、4月中旬ごろまでが見ごろのようだ。 ![]() 女体山山頂からは視程の良い時はスカイツリーや富士山も見えるが、今日はとても混雑していたし靄もかかっていたので早々に切り上げた。帰路はロープウェイ沿いの「白雲橋コース」を下りたが、途中8合目付近までは1列縦隊の混みよう、交互に道を譲りながらゆっくりと下る。 筑波山は岩石の多い山だが、その中でも弁慶七戻りまでの巨岩群は、大きな岩が絶妙なバランスを保って見事なものだ。東日本大地震をはじめ多くの地震にもよく崩れなかったものと感心する。岩場では飛び降りるように下ることがある。大丈夫と思って飛び降りたのに、膝に力が入らず体が崩れ落ちてしまう。漸く杖で支える。危ない。以前は何でもなかったことが今日はできない。年齢をつくづく感じる。 ![]() 筑波山神社を経て温泉街を横切り、つくば道を、昔は神社領地であったという六丁目鳥居まで下りて軽く昼食、いよいよ帰路にかかる。家まで約30キロメートル、時は午後1時半、やや時間が押しているので歩度を上げることにする。つくば道沿いには旧家が多く、昔風の立派な門構えを楽しみながら歩く。北条地区では2012年5月に発生した竜巻の被害も大分癒えているようだが、ビニールシートがかけられたままの家も数軒見られる。神郡部落の家並みから筑波山を見る景色は素晴らしく、写真や写生のポイントになっている。大曾根の旧道を通って筑波大学構内に入り、樹木に囲まれ広々とした構内を縦断してつくば市の中心部を通る。19:20に自宅に到着、朝07:30に歩き始めたので休憩時間を含め約12時間歩いたことになる。 歩数:53,000歩 距離:40キロメートル 消費カロリー:2,500Kcal |
コメント | 田中 征之 |
総会では久しぶりにお会い出来ました。相変わらずお元気でなによりです。 「筑波山を歩く」を楽しく読ませていただきました。 12時間、40キロ歩けるのはこの歳で超人的です。私の方は三陸鉄道に乗りたいとか色々したいことがあったのですが 体調不良で10日間も家でゴロゴロ、TVでミステリチャネル(イギリスの探偵もの)ばかり見ていました。 具合の良い時は ゴルフの練習と団地の花壇の庭いじりとなんとも情けない連休でした。 そんな塩梅で山田さんの筑波山を懐かしい思いで 読みました。 私は通信職種だったので、筑波山は関東一円を見渡す独立した名峰で通信にはもってこいの場所と言うことで つくば学園の見学を兼ねて通信学校から何回かマイクロバスで行ったことがあります。 山頂の入口付近でガマの油売を見た覚えがあります。 当時、アマチュア無線に凝っていたので携帯無線機からCQを出したところ、東京の病院の患者さんが出てきて、流石筑波山良く通じる と感心したことがあります。 いづれも車で登ったので本当の筑波山を知ったわけではありませんので、すべて歩いて見聞した話は景色や 神社等、目に浮かぶようでした。 又の投稿をお待ちしています。 |